緑豊かな並木道を90分歩くと、交通量の多い道路を90分歩くのとはまったく違うことが起こります。脳画像研究では、自然の中を歩いた参加者は、繰り返しの自己批判的な思考のときに活性化する前頭前皮質膝下部(subgenual prefrontal cortex)の活動が低下していました。都市部を歩いた人にはそのような変化は見られませんでした。同じ時間、同じ運動量、脳の中ではまったく異なる結果です。
何が変わるのか
一日のほとんどを室内で過ごしているなら、あの軽いだるさや頭のぼんやり感は偶然ではありません。あなたの脳は、自然環境と人工環境を異なる方法で処理しています。その変化は3つのシステムに現れます。
脅威システムが静まります。 自然環境と都市環境を比較した脳画像研究では、自然に触れることで扁桃体(amygdala)、つまり脳の警報センターの活性化が一貫して低下します。体は闘争・逃走モードから抜け出します。心拍数が下がります。ストレスホルモンが減少します。
注意力が回復します。 都市環境は常にあなたの集中的な注意を要求します。車をよけたり、標識を読んだり、騒音をフィルタリングしたり。自然環境はもっと穏やかな形の注意を引き出します。揺れる葉、流れる水、鳥のさえずり。環境心理学者はこれをソフト・ファシネーション(soft fascination)と呼びます。前頭前皮質がもう一つの負荷と格闘する代わりに、回復できるのです。
反すうの力が弱まります。 不安やうつを助長する、自分に向けた繰り返しの思考のループは、緑の空間で弱まります。それを駆動する脳の領域は、たった一回の散歩の後でさえ、測定可能なレベルで活動が低下します。
試してみてほしいこと
- 灰色ではなく、緑の道を歩きましょう。 混雑した道路ではなく、木のある道を選びましょう。同じ労力で、脳への影響は別物です。
- 40秒のまなざし。 少しでも緑が見える窓を見つけて、40秒間眺めてみてください。対照実験では、これだけで次の作業の集中力が向上しました。
- 週2時間を目指しましょう。 約20,000人を対象にした研究で、これが幸福感が大きく向上する境目だとわかりました。どう分けても構いません。 森も週末の遠出も必要ありません。公園のベンチ、並木道、空の下で過ごすほんの数分で十分です。