思考抑制に関する一連の実験で、参加者は5分間「白いクマのことを考えないように」と指示されました。誰もできませんでした。さらに悪いことに、抑制の時間が終わると、最初から自由に考えていた人たちよりも白いクマのことを多く考えてしまったのです。
不安を止めようとして、かえってひどくなった経験はありませんか? 原因はまさにこれです。感情を押しのけると、それが消えたかどうかを確認する監視プロセスが働き始めます。その確認作業が、感情を再び意識に引き戻してしまうのです。心理学者はこれを体験の回避(Experiential Avoidance)と呼びます。不快な内的体験を抑え込む習慣のことです。研究では、うつ、不安、強迫性障害(OCD)、PTSDの発症率の高さとの関連が示されています。自分を守っているように感じる戦略こそが、あなたを動けなくしていることが多いのです。
アクセプタンスが本当に意味すること
「アクセプタンス(受容)」と聞くと、あきらめることだと思うかもしれません。でも違います。アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)は、内面の体験との戦いをやめ、自分の価値観に沿って生きることを軸にしたアプローチです。ここでいうアクセプタンスとは、不快さに居場所を作ることで、自分のエネルギーを本当に大切なことに向けるという意味です。
- 抑制はこう言います:「こんなふうに感じるべきじゃない。」
- アクセプタンスはこう言います:「こう感じている。それでも行動できる。」 ACTは不安、うつ、慢性痛、物質使用の分野で1,000件以上のランダム化比較試験で検証されてきました。ある痛み耐性の実験では、アクセプタンスの指示を受けた参加者は、感覚を抑え込むよう指示された参加者よりも長く不快感に耐え、苦痛も少なかったと報告しています。
綱引きの綱を手放す
- 体験に名前をつける。「不安を感じていることに気づいている」と言葉にすると、自分と感情の間に小さな距離が生まれます。
- 戦いに気づく。 感情と言い争っている自分に気づいたら(「こんなふうに感じるべきじゃない」)、立ち止まって「自分はこれと戦っている」と言ってみてください。気づくだけで、その締めつけが緩みます。
- 大切なことを問いかける。 こう試してみてください:「もしこの感情がここにいていいとしたら、今何をするだろう?」答えが「電話をかけ直す」や「下書きを始める」なら、それをやりましょう。 白いクマは、頭から追い出そうとしても倒せません。クマを部屋の隅に座らせたまま、自分の人生を歩み続けることで倒せるのです。